いつの時代でも
家族団らんで
あって欲しい

新出丈史

商品企画

2007年~ 九州支店(店舗担当、スーパー本部担当)
2012年~ 東京支店(広域スーパー本部担当)
2014年~ MD企画部
2016年~ 商品企画部

未来

ミツカンが提案する
家族団らん

「これからの時代は、今まで抱いていた家族団らんのイメージが、お父さんとお母さんにふたりの子どもの4人家族というスタイルから、夫婦2人や友達同士へと変わっていくと思っています」
そう語るのは、商品企画部の新出丈史だ—。
家族のありかたがどんなに変化したとしても、そこは家族団らんであって欲しい。核家族だからといってさめた食卓では寂しすぎる。
「別の形の団らんの提供をミツカンとしてしていけたらいいなと思っています」
ミツカンはお鍋やおすしといった、みんなで楽しめるメニューを提案することができる。食卓に潤いを与える食品メーカーとして温かみを提案し続けたいという。
「それがミツカンの良さですし、社会に貢献できることだと考えています」
そんな新出には作りたい商品があるのだという。
「社会の環境が変わっていくなかでも残り続けるような、そういう商品を作りたいです」
時代の変化に対応できる商品だけが生き残ると思われがちだが、調味料では定番、スタンダードと呼ばれる昔ながらの商品が生き残り、時代のニーズを見据えて開発されたはずの新商品が消えていくことがよくある。だから、未来において定番、スタンダードと呼ばれるような、誰からも愛される商品を作りたい。
そして、市場の変化を読むことが難しくなった現代、食卓の未来を描くことが自分に課せられた役割だという。次を考え、伝統は守りながらもそこに安住せずに変化させる。同時に新しいものを生み出していく。
「トップメーカーとして、市場が活性化する将来のビジョンをみんなに見せるのがミッションです」と、新出は目を輝かせる。

過去

提案力を見せて
信頼関係を築く

新出は石川に生まれ、東京で育った。モノに関わる仕事をしたいと思っていた。触って感じられるものがいい。なかでも“食”は生活に密着している。それがミツカンヘの入社動機だった。
最初の配属は九州支店で、店舗営業を任せられた。将来的に商品開発に携わりたいと思っていたが、営業経験は必須だと想い、猛烈に頑張った。セールス表彰も取った。
東京に戻り、広域営業部の配属となった。しかし、得意先を訪問してもまったく相手にしてもらえなかった。商談ができない。なぜなのか、まったく理解できなかった。
「九州支店で成果を出せていたので、次も上手くいくだろうと思って、意気揚々と東京にきて『やってやるか』と思ったところ、ガツンとやられました」
上手くいかない理由が分からず、途方に暮れるなか、同僚や上司から「最初から上手くいかないことは、よくあるよ。諦めずに相手と向き合えば、そのうち、なんとかなるよ」と、明るく励ましてくれた。
同僚や上司から取引先の特徴や求められていることを教わった。自分が新しく担当になって、まだ信頼関係が築けていないなかで商談をさせてもらえないのも当然だ。取引先と信頼関係を築くためには、やはり提案力を見せることだと思った。九州支店ではたまたま得意先に恵まれていたので上手くいったのだと悟った。信頼関係を築くために、粘り強く前向きに取り組んでいこうと気持ちを切り替えた。
得意先に受け入れてもらえるような提案をおこなうため、まずは相手のニーズを掴むことを目標として設定した。
得意先の本部の考え方や当社が求められていることについて、同僚や上司から教わり、社内だけでなく、他のメーカーや卸の営業担当にもヒヤリングした。
得意先の店舗の状況については自分の目でも確認しながら、社内の店舗担当の営業にも確認した。
「『得意先に言われたからやりました』だけの受身になってしまうと、決して状況は好転しません。こちらから情報を掴み、新しいことを一緒に取り組む姿勢を見せることで、少しずつ信頼していただけたと思います」
新出は「諦めずに課題に向き合い続けること」と「コミュニケーション」が大切だという。

現在

『追いがつおつゆ』の
リニューアルを手掛ける

今は、念願の商品企画部で『追いがつおつゆ』を中心とした家庭用つゆの商品開発を担当している。商品開発の仕事は、商品コンセプト立案から、味作り、CM制作まで幅広く関与する必要がある。
「このスケールは営業では経験できませんでした。とはいえ、さらなる責任感も感じます」
『追いがつおつゆ』のリニューアルを手掛けている。コンセプトは基本に立ち返った。
「『追いがつおつゆ』は“かつおだしが効いている”というところが一番の強みです。今回は、その強みを改めて磨く、というのをコンセプトに決めました」
コンセプトは、いろいろな方向性が考えられた。より自然な味わいにしていこうとか、よりかつおだしのコクを感じられるようにしようとか、より健康的な見せ方にしようとか、いくつもの方向性が考えられたが最終的には、市場調査からのお客様ニーズを重視したコンセプトに決定した。
商品の開発は、環境分析をおこない、目指す方向性と、商品開発の意図を明確にし、部内で議論し、それをまとめたものを上申して、GOサインが出ると実際の開発に取り掛かる。
味づくりをする開発部署があり、そのスタッフと一緒に商品開発をしていく。試作品が完成したら社内プレゼンをする。実際のお客様にも試作品をテイスティングしてもらい、納得が得られたら正式に量産体制に入る。そんなプロセスを踏むため、『追いがつおつゆ』のリニューアルには1年を要した。
「今回は自信作です。まあ、いつも自信作ですが。今回は改めて、“かつおだしが効いている”ということにこだわった商品となりました。テレビCMを活用して訴求も強化していきます」
消費者との広告コミュニケーションでは、かつおだしの効きが麺以外のメニューも引き立てることをアピールする。フラッグシップとなるメニューも立て、かつおだしの効きがいいというベースの価値を訴求し、さまざまな料理に使える、メニューの広がりを伝えてく。
「広告代理店へのオリエンが終わったところで、今は先方のプレゼン待ちです。タレントも使ったテレビCMになると思います。きっとテレビで見ることがあるはずです」
今は実際の商品が完成されるのを楽しみに待っているところだという。
「関わった商品が完成品となって出来上がってくるのを見るのは嬉しいものです。ミツカンは規模の大きな仕事をさせてもらえるのが魅力です。扱う金額も大きいし、テレビのCMも展開する。そんなダイナミックな環境です。実際のものづくりに触れる喜びとダイナミックな仕事に関わっている、というところにやりがいがあります」
九州、東京、商品企画。新天地では最初から上手くいくことばかりではなかった。いろいろな壁にぶつかるが、前向きに取り組み続けることで、その壁も越えてきた。なので、つらいと思うときは、ゴールは遠くに見えるかもしれないが、背伸びをすれば達成できるところに目標を置いて達成する、という繰り返しをして、先が見えてくる。今の力ではなく、自分の力のちょっと上を目指して、それを達成させるのだという。1年を費やした新出のゴールは近いようだ。

※担当業務は取材当時の内容です。