工場は誰もがヒーロー、
ヒロインになって
輝ける場所

田所美穂

醸造課

ミツカンの原点に
関われているのは誇り

田所美穂は醸造課で、酒粕を熟成させてつくった粕酢造りを担当している。粕酢は、日本酒を造るときに出る酒粕からもろみをつくり、もろみを酢酸菌で発酵させて造る。その原料となる酒粕の管理を田所は任されている。
「工場ならではの大型設備を動かしたり、制御盤を操作したり。最初は慣れない作業でしたが、粕酢を醸造する工程と原理が理解できてからは楽しくて、楽しくて。もちろん、ミツカンにとって肝になる重要な部分を担っているのでプレッシャーもあります。でも、プレッシャーより、やりがいの方が大きいですね」
現場では男性に交じって20キロもある酒粕の入った袋を運ばなければいけないこともある。そのため、筋トレは欠かせないと笑う。もちろん、力仕事より酒粕の成分分析や、作業効率を上げるための改善活動が業務の中心だ。
「ミツカンの原点である粕酢造りに関われていることが私の誇りです。ミツカンの粕酢は、製造方法がもう確立されているものだと思っていましたが、まだ改善できることがたくさんあります。210年以上も前からある商品なのにさらに伸びしろがあります」
210年以上前から、さらにこれから先も受け継いでいくであろう商品は、実は日々改善を重ねて造られているのだ。
「歴史のある商品を20代の私が担当していいのか、と自分で驚きます。でも、そんな私が興奮できる魅力的な仕事です。先輩から私に引き継がれ、さらに私から次の世代に引き継ぐ。その先も改良を続けながら代々、成果を残して引き継いでいくと思います。私も私なりの成果を残したいですね」
ミツカンの歴史は流れているのではなく、積み重なっている。そこにチャレンジがある。
「私は、まだまだ生産現場のことを知り尽くしているわけではありません。もっと現場のことを徹底的に知り尽くしていると思えるくらいに成長したい。女性の視点から改善できることも提案していきたい。女性が活躍できる働きやすい環境をつくることも自分に課せられた仕事だと思っています」
そう、田所は目を輝かせる。

自分にしかできない
仕事が必ずある

ミツカンに入社して、工場に飛び込んだ田所が配属されたのは醸造課。そこは男性ばかりの職場だった。
「『男性に負けたくない!』という気持ちがありました。だから、重たいものでも頑張って持とうとしていたんです。その頃は力もなかったのに……」
力仕事でも率先して「手伝います!」と言って走り回った。けれど持てなくて、力になれないと感じた。
「完全な空回りでした。男性の方々が優しく『ムリしなくていいよ』というのを、私が勝手に『女性が職場に来てがっかりしている。期待されていない』と思い込んでしまっていました。それに、男性社員についていけない自分が嫌で。『頑張らなきゃ』という焦りがありました」
男性と同等に動くやり方しか思い浮かばなかった。そんなときふと、酒粕の熟成度合があまりよくないことが気になった。上司から『調べてみて』と言われて、自ら考え過去1、2年の実績データを解析することにした。
「調べてみると熟成度合が夏場と冬場で違いがあることが可視化できました。酒粕の熟成には温度管理が重要です。なので、夏場と冬場では管理する温度を変えないといけないんだと分かりました」
酒粕の熟成工程は複数段階あり、それぞれ温度も期間も違う。また酒粕原料もいくつかの銘柄があり、特性も違っている。田所は、さまざまな条件で試験をおこない、仮説を立て、実生産で検証していった。進めるにあたっては、試験データに基づいて議論をおこない、プレゼン資料を作成して報告をおこなった。
「みんな『おおっ!』となってくれて。それで『力仕事でなくとも貢献できる仕事はあるんだ』と思うようになりました」
田所が、力仕事でなくとも自分が活かせる場所がたくさんあることを知った瞬間だった。

MESSAGE

現場だからこそ、
主役に立てる
表向きに目立っていることばかりが楽しいことではありません。現場ならではの楽しさがあります。工場じゃないとお客様に届ける商品に直接、関わることはできません。実際に商品をつくっているのは工場なんです。
工場と聞くと『毎日、同じことの繰り返しでしょ』と思うでしょう。確かに私も、そう思っていました。それに『工場は歯車の一部となって働くもの』とイメージされる方は多いと思います。でも、そんなことはありません。現場の私たち一人ひとりが積極的に改善していくことで、ミツカン全体を押し上げていくことができます。現場が主役になれる機会はたくさんあります。ミツカンの工場では社員が埋もれてしまう、ということはありません。誰もがヒーロー、ヒロインになれます。いろんなチャンスがあって、大きな成果につながることもたくさんあります。工場には熱いものがあります。ぜひ、一緒に働きましょう

※担当業務は取材当時の内容です。